【納涼★月下の夏祭り】回想の月夜（ストーリー 6/6）

【納涼★月下の夏祭り】回想の月夜（ストーリー 6/6）

あの日も、満月だった。
幼い私は、浜辺で花火に
みとれていて――

少しでも近づきたいと、
気がつけば波に足を
浸していた。

そんな私を、養父が抱きかかえて
『満月の海には気をつけろ』
と、言ったのだ。

その口調は、叱責ではなく、
諭すように。 それから――

『もう大丈夫だ』と、
繰り返し告げた。

ノア

花火がキレイなのです。

マナ

ノアさん、満月の夜の海は
何が危ないかご存知ですか？

ノア

もちろんです。 満月の日は
潮の流れが変わるから、
注意が必要なのです。

マナ

ええ、その通りです。

ノア

急にどうしたのです？

マナ

今日の月を見て、思いだした
までです。 幼い私にそう教えて
くれた大人がいた事を。

ノア

きっと、マナさんが波に
さらわれないように、心配して
くれたのです。

マナ

ええ、そうですね。
その通りだと思います。

ノア

せっかくの優勝賞品です、
縁日でいっぱい遊ぶのです。

マナ

異論はありません。
むしろ、当初の目的は
そこにありますので。

ノア

目当てのお店があるのです？

マナ

そうですね、射的や
輪投げなどがあれば
よいのですが。

マナ

このあたりの景品で、
探しものがみつかりそうです。

ノア

何を探しているのです？

マナ

うさぎのぬいぐるみです。
屋台の景品として並ぶ事が
多いと聞きまして。

ノア

うさぎさんですか。 ここには
ゾウさんのぬいぐるみしか
ないのです。

マナ

あれは……！ まさに
探していたぬいぐるみです！

ノア

ノアにはハッピを着たゾウさん
としか見えないのです。

マナ

しかもハッピバージョンとは！
あれは小さい頃、どうしても
欲しかった子ですね。

ノア

マナさんにも、満月の夜の
再会があったのです♪

マナ

まさに、懐かしい相手との
再会です。
 
これは、なんとしてでも
連れて帰らなければ
なりません……！

ノア

大丈夫なのです。
今日は遊び放題なのですよ♪

マナ

油断は禁物です。
さあ、作戦を開始します！

夏の夜、その言葉は
満月のように心に浮かぶ。

『大丈夫』と告げる、
彼女の穏やかな声。

私に刻まれた、
夏の夜の思い出――

【納涼★月下の夏祭り】ストーリー

ボタンをタッチすることで、各ストーリーを閲覧することができます。
月夜の祭り（1/6）  
祭りの景品（2/6）  
景品の浴衣（3/6）  
浴衣の勝負（4/6）  
勝負の回想（5/6）  
回想の月夜（6/6）  

関連するストーリーマッチ