天使の風習（甘い悪魔とビターな天使 ストーリー 3/7）

天使の風習（甘い悪魔とビターな天使 ストーリー 3/7）

一方、その頃。 校庭から
セラータを追いかけた
マールは――

マール

おーい！

セラータ

ん？ なんだお前は？

マール

けんか、してたみたいだから。
何かあったのかなって。

セラータ

その翼……まさか天使か？

マール

そうだよ。 あたし、
天使のマール。 体験入学で
テニスしに来たんだ。

セラータ

ワタシはセラータだ。
天使に心配されるとはな！

マール

みんなをハッピーにすることが
あたしの役目だからね！

セラータ

悪魔をハッピーにするとは
なんと恐ろしい……！
 
ククク……気に入ったぞ。
ワタシもその企てに
加担するとしよう！

マール

やったあ！
じゃあいっしょに考えよ？
 
何をしたら
よろこんでもらえるかな……

セラータ

今であれば、大会に関する
協力だろうな。

マール

コートのおかたづけとか？

セラータ

それも悪くはないが……
天使の風習では、どんなことを
するのだ？

マール

えっとね、このまえは
テニスをがんばるお友達に
プレゼントを――
 
そうだ！ セラータちゃん、
いっしょにチョコつくろ？

セラータ

チョコなど作って
どうするつもりだ？

マール

大会に出場するみんなを
チョコで応援するんだよー！
 
がんばろーね、 ってキモチを
伝えるのに、ちょうどいいって
思ったんだ。

セラータ

勝者での報酬ではなく
応援ということか……
 
なるほど、面白い。
皆がどんな反応を示すか、
付き合ってやるぞ！

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